第9回目を迎えた外食虎塾
第1部 アジア外食進出
コンサルタント島正人氏
今回の第1部で講壇したのはアジア外食進出のスペシャリスト島正人氏。
島氏は過去に香港に12年住んでおり、数多くの日本の飲食企業の海外出店をサポートしてきた経歴を持つ。
講話冒頭で島氏から「アジアや海外に視察に行ったことがありますか?」
塾生の中でアジアや海外に視察に行ったことがあると答えたのは数名だった。
現在、来日している外国人観光客は1,600万人を超え、2,000万人も目前に迫っている。
日本食が無形文化財に指定され、今後更に日本食が海外でもブームになっていくという。
そんな中、海外で出店する際の注意点や食文化の違いなども塾生に教えてくれた。
例えば日本では普通にメイン食材として出されている豚肉や牛肉なども宗教の違いで
口にすることが出来ないなどあたりまえの事だが意識をしなければならない点がある。
来日する外国人観光客が店に来るときも同じような事が言える。
今後の海外出店や外国人観光客の受け入れかたなどを塾生たちは島氏の講話を聞いて何をやるべきかのヒントを得たようだった。
第2部 株式会社バイタリティ
代表取締役社長 岩田 浩氏
第2部に講壇したのは東京都中央区を中心に鳥番長などの居酒屋・焼肉業態など13店舗を経営し商品開発王の異名を持つ株式会社バイタリティ岩田氏。
岩田氏の講話は塾生たちが今まさに抱えている悩みや課題などを解決するための的確なアドバイスとなった。
◆店舗を出店していくときに財務が重要になること。
◆経営理念を持つこと。
◆想いを言葉に変えていくこと。
◆人材育成・社員モチベーションUPのやり方
自身の失敗談なども包み隠さず話す岩田氏の言葉ひとつひとつを塾生は熱心にメモを取っていた。岩田氏の経営しているバイタリティ社は多様な業態を経営している。
社員の中には和食が得意な人もいれば、洋食が得意な人もいる。その得意な分野(やりたいと思う分野)をやっていく事で社員の成長に繋がっていく。
出店ペースが加速する中、岩田氏は創業4年後に会社の経営理念を作った。
経営理念「人と街の繁栄」
理念があることで今後の戦略やビジョンが変わっていく。自分達が何をやって何をやらないかの判断は理念があることで明確になると岩田氏は語る。
講話の最後に岩田氏は塾生に対してこう語った。
「企業で大切なものは人。社長が人を育てる。過去と人は変わらない。自分と未来は変わる。」
この言葉に塾生は大きく頷き自身の経営者としての役割を改めて考えているようだった。
第3部株式会社ゼットン
代表取締役社長 稲本 健一氏
第3部は株式会社ゼットン代表取締役会長 稲本健一氏
登場シーンですでに圧倒的なオーラを纏っている稲本氏はマイク1本のみで塾生に自分の外食への熱い想いを語ってくれた。
稲本氏はお客様の顔を見て、何を求めているのか、どんな事をしたら満足をしてもらえるかをしっかりと感じ取る必要があるという。客商売のリーダーとしてそのくらいのエネルギーがないとリーダーは務まらないと塾生に伝えた。
安田塾長をイジるなどの冗談も交えつつ、講話が始まって早々に稲本氏の作る空気間に塾生は引き込まれていった。
稲本氏が25歳の時に初めて作った飲食店が期間限定のビアガーデンだった。
ジャマイカのネグリルという砂浜をコンセプトにしたビアガーデンは波乱の出来事づくしだったと稲本氏は語る。
ビアガーデンがオープンした年はちょうど台風の当たり年。強風で屋根は飛ばされ冷蔵庫は倒れ、通常経営が出来ない日々が続いた。
「飲食店なんかやるんじゃなかった・・・・」当時の稲本氏は心からそう感じたという。
そう思いながら経営を続け、ビアガーデン最終日に稲本氏を外食で生きていくという事を決めた決定的な出来事が起こる。
オープン最終日にビアガーデンの付近の道路が大渋滞していた。渋滞の原因となっていたのが稲本氏のビアガーデンを求めるお客様だった。
40席のビアガーデンになんと約500名近くのお客様が集まっていたという。
稲本氏はそのビアガーデンに集まっていた人達のエネルギーに今まで感じた事のないエクスタシーを感じたと語る。
その感動の体験が稲本氏を外食への道に進ませた決定的な出来事となった。
稲本氏のゼットン社のテーマは「店づくりは街づくり」
その街に必要な店を作らなくてはならないという使命感が稲本氏にある。
周りからその場所は失敗するからやめたほうが良いと言われても、稲本氏は人が避けているものほどそこにチャンスがあると稲本氏は語る。
稲本氏はその後にも
◆横浜マリンタワーのリノベーションのプロジェクト
◆ゼットン社の強みと弱み
◆ダイヤモンドダイニング松村社長との話
言葉のひとつひとつが塾生の外食に生きる上の糧になっていった。
日本のレベルを上げているのは飲食のアルバイトを経験した人たち。
飲食で働いていることを誇りに持つべきだということを塾生に熱く語った。
飲食は若い力をはぐくむことが出来る装置
飲食店の商売は人がやっている。飲食業は最も古い産業だと。
かつて東日本大震災後、東京に活気が戻ってきたというニュース。
「街の活気は飲食店経営の俺たちが作っている!」その言葉を聞いた塾生たちは大きく頷いて自分たちの仕事の誇りを再認識しているようだった。
世界に日本の飲食を広げていくために先頭に立って進んでいく。
店舗数や売上ではない。自分のお店に来るお客様が笑っているか従業員が笑っているか。
それが一番大事だと最後に稲本氏は締めくくった。
外食経営者は部下を育てられる部下を育てることがもっとも大事。
稲本氏の講話は今日この場の自分たちのためにしてくれた特別な講話であると塾生全員が熱い想いを感じているようだった。
懇親会風景
次回講義
第1部 イザコー&S1の二冠王
株式会社PrunZ(プランズ)
代表取締役社長
深見 浩一氏
第2部 和食伝道師 三船でNYへ
東京レストランツファクトリー株式会社
代表取締役社長
渡邉 仁氏
第3部 外食の魔術師!!
株式会社バルニバービ
代表取締役社長
佐藤 裕久氏
外食虎塾事務局
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