第5期外食虎塾2016 第12講座
ついに、外食虎塾も最終回となった。
塾生は始まったばかりの頃と比べ、かなり結束力が強固となった。
この仲間達と共に卒業後も切磋琢磨して欲しいと思う。
第1部 財務戦略の魔術師
The CFO Consulting株式会社
代表取締役会長&CEO
鈴木 大徳氏
虎塾ファイナルの一部が始まる。
10年間財務を経験してきた。初めてのクライアントが外食産業であった。
10年前の当時は外食産業が財務管理に細かくする考えは少なかった。
今では1000社の財務顧問をしており、約3割は外食の企業だという。
経営者と共に歩む財務顧問。
成長をする為にどうしたらいいいのか?潰れない為にはどうしたら良いのか?
常々考えているという。
鈴木氏の考えでは、飲食店は飲食店運営ではなく、飲食店経営を目指して欲しいと思っている。
従業員を雇うと必ず、成長をしなければならない。
財務戦略とは?
■経営者の一番の仕事はなんですか?
→存続すること
■経営者がやってはいけないことは?
→潰すこと
■もう一つの経営者の仕事はなんですか?
→成長・発展すること
なぜ事業を失敗をするのか?
何千人の経営者を見てきた、鈴木氏は答える。
一番は経営における投資が間違っていることが多いという。
この投資は慎重に行わなければならない。
売掛金は赤字
買掛金は黒字
保証金は戻ってくるから、その分黒字ではないのか?
答えはNOだ。保証金は店舗を売ったり、潰した時に初めて戻ってくるお金。
それを勘違いしている、外食経営者が多い。
経営者は実質無借金経営を目指すべきだ。
①金融機関との付き合いはプロパー資金を目指す。
保証協会枠は絶対に空けておく
②期間は5年以上、金利は2の次(跡からでも交渉できる)
③金融機関は必ず複数行と付き合う
メリット以外何もない
金額・条件・スケジュール・リスクヘッジ
④地銀と市銀は大事にしたほうが良い、今回の大統領選で市場が不安になる時はなるべく早めにお金を
集めておいたほうが良い。
外食企業経営者は出店し成長し続けなければならない。
それは集まってくれた従業員、その家族の未来、幸せを守る為である。
守りの財務戦略と攻めの財務戦略を学ばなければならない。
第2部 串カツ王
株式会社串カツ田中
代表取締役社長
貫 啓二氏
2008年に串カツ田中 オープンし7年で100店舗達成。
2013年には外食アワードを受賞。
2016年には上場を果たす。
貫氏は語る。
まず、最初に店舗展開も上場も考えていなかった。
3部でも登壇される、大倉社長にも言われたが、上場してもしなくても、上場できる体制はいつでもしておかなければ
ならない。
今回は上場前の苦労などを語ってくれた。
元々12年前は自動車メーカーのTOYOTAに勤めていた貫氏。
サラリーマンの傍ら、収入を増やしたいとイベント業を行っていた。
少し資金が貯まったところで、1999年にショットバーを始める。
飲食に勤めたこともなく、本当に何もないところからのスタートだった。
ところが、以外にも売り上げ順調に伸びてゆく。
その時にアルバイトに来たのが、現副社長である田中氏だった。
大阪でデザイナーズのお店を出したら、時代も後押ししたのか、繁盛した。
勢いづいた貫氏は東京の表参道にも出店。こちらもたちまち話題のお店になる。
しかし、飲食経営は甘くなかった。
当初はメディアにも取り上げられ繁盛したが、2008年のリーマンショックで売り上げはみるみる下がっていく。
このままではヤバイと倒産が頭をよぎる。
倒産寸前でやれる範囲の事をやろうと思った。
その時に思い浮かんだのが、副社長の田中さんのお父さんの串カツだった。
お金がなかったので自分たちで大工仕事をして中古の設備を購入して始めた。
手探りの状態。これでダメなら、会社を潰そうと思ったという。
しかし、神は貫氏を見捨てなかった。
世田谷の松蔭神社前という立地で串カツ田中は大繁盛店となるのである。
元々、サラリーマン時代はコストカットやオペレーションを得意としていた貫氏。
店舗展開にあたり、様々な工夫を行う。
この経験が店舗展開に役に立っているという。
10店舗を超えた時、自信が確信に変わる。
串カツを核とした大衆居酒屋を展開しようと決意。
そこからは、破竹の勢いだった。友人の飲食仲間に自分のお店のFCを任せたのも大きかったかもしれない。
みるみる内に店舗は拡大し7年間で100店舗を達成した。
貫氏はこの展開について大事にしてきたことを語ってくれた。
■サービスと合わせて商品を提供している事。
■毎年海外に慰安旅行を入れる事
■従業員が楽しく働ける場所を創る事
■明るくて清潔感がある事
我々は子供を大事にする。その子達が10年後、自分のお金で食べに来て欲しいし、20年後子供達を連れて
また食べに来て欲しいから。ビジョンは30年30店舗づつ出店し1000店舗体制を目指す!
串カツが国民食になる日も近い。
第3部 日本一の焼鳥王!
株式会社鳥貴族
大倉 忠司氏
大阪・東京・名古屋を中心に280円均一の焼き鳥屋チェーンを展開する「じゃんぼ焼鳥 鳥貴族」。
店舗数444店舗。
2014年東証ジャスダックに上場を果たし、2015年7月に東証二部へ市場変更、さらに2016年4月1日付で東証一部へ指定。
焼き鳥専門店の中では15.8%のシェアを誇る。
単一業態でのチェーン展開。ここに大倉イズムがある。
学生時代に初めてやったアルバイトが飲食店だった。
働く仲間影響もあり飲食が好きになった。
22歳の時に焼き鳥屋に転職。
1985年に9坪、27席の一号店、鳥貴族をオープン。
地元にオープンしたこともあり、数か月は何とかなったが4か月が経つと日商1.5万円になってきた。
大倉氏の脳裏に倒産もちらついてきたという。
どうしようかと悩んでいた時に、初心に戻る。
元々、安くておいしい業態を作りたいと考えていた大倉氏。
いっそのこと商品をおもいっきり安くしてみた。
すると250円均一にした途端、傾いていたお店が一気にV時回復。
業績が伸びていく。
この業態で出店していけばイケる!と確信した大倉氏は鳥貴族の単一経営を決意する。
ターニングポイントは大阪道頓堀店。
ずっと、ローカル地域の1階路面店のみの出店だったが、大倉氏は勝負に出る。
道頓堀店で空中階で出店。これが面白いように売れた。
この経験を元に、出店が加速。
その当時、和民を完全にベンチマークしていたという鳥貴族。
50店舗を超えたあたりから、認知され、ブランド化されたことにより、消費者に安心感を与えている。
鳥貴族の躍進にはどういう考えがあったのだろうか?
鳥貴族には飲食店らしからぬ独自のスタイルがある。
社長である大倉氏の考えが繁栄されている。
■大部屋方式
役員室はない、フラットな組織を目指す。縦割れ組織を無くす事ができる。
■報酬以外は平等
社長であっても交際費は0円、移動手段も平等。
コーヒーやお茶も自分で入れる
経費を最小に&人道主義
その国に存在意義がなければ、鳥貴族は海外出店はしない。
■志を持ち続けた
全国チェーン展開を目指す
世襲をしない
外食産業のお社会的地位の向上
■自分を信じ続けることができた
自分は運がいいから絶対に成功できる
■お金を追いかけることはしなかった
本業以外で稼ぎたくない
宝くじは買わない
大倉氏の金言に塾生やスポット参加の方々も終始頷いていた。
オオトリにふさわしい塾生も大絶賛の講義だった。
鳥貴族は『国産国消』への挑戦!を掲げ、国内2000店舗の出店を目指す。
今後も羽を休めることはないだろう。
第5期外食虎塾も素晴らしいファイナルを迎えた。
始めは緊張していた塾生も次第に緊張が解れ、講師人への質疑が増えていった。
印象的なのは塾生が、回を増すごとに自信に満ちた目をしていた事だ。
毎回、直ぐに実践できる教えを塾生が試し、成功していったからだと思う。
これからも外食虎塾は安田塾長を筆頭に輝きを増していくだろう。
今回の塾生が講師になって帰ってくるのが楽しみである。
外食虎塾事務局
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