本日を含め講義も残り5回となった外食虎塾。
安田塾長が先日ニューヨークとバンクーバーから帰ってきた。
現地の外食事情など目から鱗の話ばかりだ。会場が温まったところで講義が始まる。
第1部 国際外食アナリスト
株式会社フードリンクニュース
代表取締役社長 安田 正明氏
サントリー株式会社に就職して始めて関わった仕事は「バーボン」を普及することだった。
30歳で独立をすることになる。
時代はバブル。
企画を書いて大手広告代理店に売ったら何十万単位ですぐ売れた。
バブルが弾けて、仕事がなくなりはじめた頃、フードリンクニュースを考えつく。
当時、本部の人間が覆面調査をすることが主流だった。
それは企業の自己満だと考えた安田氏。
お客様目線で覆面調査を初めて外食業界に提案した。
最近では外食駅伝を主催、今年は125チームが皇居に集まり盛り上がりを見せた。
外食ラバーズの為のフードリンクニュースをテーマに今年は奮闘している。
フードリンクニュースは元々、外食業界に関わる人向けに発信してきたが、飲食好きな一般ユーザーも今後は取り込んでいきたいと考えている。
芸能人の方と一緒に飲み歩き、コラムにして発信。
やはり芸能人の力は凄いという。
一般ユーザーも取り込みはじめている。
フードリンクニュースといえば時事ネタに精通している。
鳥貴族と鳥次郎の話、DDとゼットンの買収話の裏側、肉寿司の話など。
現在も、餃子は人気である。
餃子とワインを始め、最近では餃子とシャンパンを掛け合わせた、「餃シャン」という業態もある。
元々はパリであった業態で、餃子にトリュフを添えてシャンパンで召し上がるスタイル。
従来の餃子ではシャンパンに合わない為、シャンパンに合う餃子を提供している。
裸のレストランの話は衝撃的だ。元々はロンドンで始まったこのレストラン。
1ヶ月限定のイベントだったが3万人の応募が殺到した。
ヨーロッパではヌーディストが多い為、流行している。
日本でも大阪で始めたが反応はまだいまいちなようだ。
文化によるものが大きいと思う。食事もベジタリアン志向が強く、火を扱わない料理も多いという。
日本酒について、大吟醸、吟醸、純米吟醸の話になるが、大吟醸に関して素人はメーカーの違いが分からない気がする。
同じ酵母を使って同じ米を使えばほぼ味は一緒になる。
実は産地で使用するのは、水のみである。
日本酒の世界も現在ブームであるが、同じ様な味の日本酒ばかりが増えている。それも危惧している。
串カツ田中の上場について、2等立地で流行する業態であること、仲間内でFCをやる人が多い。
値段が安い。店内が明るい。
1000円の人と3000円単価の人が共存できる業態だからヒットしたと分析する安田氏。
様々な時事ネタを披露してくれた安田氏。
外食はトレンドも大事な要素なので、フードリンクニュースなどをみてひらめき力をつけて欲しいと思う。
伸びてる業態は掛け合わせたものが多い為、ヒントが多いはずだ。
第2部 第2部 横丁仕掛け人&酒場王!
株式会社浜倉的商店製作所
代表取締役社長 浜倉 好宣氏
時代に流されない業態創りを目指す浜倉氏。
業態作りの方程式はこれだ。
産直素材x調理法x定番酒場メニューx内装雰囲気創りxスタッフキャスティング=空気感。
浜倉的プロデュースは現在に至るまでに様々なプロセスを辿る。
2006年は人と素材の縁から繋がる店作りから現代の横丁を復活させた。
2008年には商人が集える集合施設開発を目指し恵比寿横丁をプロデュース。
恵比寿横丁は連日、美味しい料理と空間、出会いを求めた、20代、30代で溢れている。
公設市場後のシャッター街再生と次世代への文化継承を目的とした場所を見事作り上げた。
業態は30店舗集めて、ジャンケンで21店舗を決める。
個性が活かせてない飲食店にチャンスを与えるという。
横丁がお店で区画がメニューという考えは塾生も驚いていた。
近年では芸術家である村上隆さんのオフィスをプロデュース。
横丁のようなオフィスを作って欲しいという依頼から、ノスタルジックなオフィスを完成させた。
銀座コリドー街にも浜倉的、横丁をプロデュース。
有楽町産直飲食街である。
何もやっても潰れる場所だったところで、大手居酒屋チェーン店も撤退した場所である。
居酒屋、地方産直があつまる横丁にしたこの場所はやはり活気に溢れている。
最近ではオリンピックに向かって海外の方が日本に来ていただく際に、日本の郷土料理を都心で、まとまった場所で食べれるところがなかったので、帝国ホテル等の旅行客も来てくださるようになっている。
しかし、オープン当時から良かったわけでがない。
マーケットニーズに合わせて常に変化を求め成長させるのだ。
プロデュースの際に常に意識することは?
ぶれているものを原点にもどすということ。
その場所、その店、その人にあるリソースを戦力として活かすことだ。
店は生き物「未完成」でオープンし、地域になくてはならない存在店へ日々磨き上げ創り続けるのである。
効率の悪いことを敢えてする。
人間のキャスティングこれが肝である。
公募でスマートに集めても雰囲気は出ない。
人間らしさ、個性が集まって活気ある空間ができるのだ。
エッジの聞いた浜倉氏の講義に、塾生からの質問が絶えなかった。
第3部 大阪王将!
イートアンド株式会社
代表取締役社長 文野 直樹氏
大阪王将、鈴木奈々を起用したCMを関東ではよく目にする。
文野氏は元々塾長と同じマネーの虎に出演していた経緯がある。
番組に呼ばれたきっかけは1998年に恵比寿の「よってこや」というラーメン店をオープンした時に大繁盛したこと。
月坪の売り上げが100万円を超えていた。当時のラーメン店では驚異の数字である。
東京進出が成功を収め本を出したことにより、テレビ局からオファーがくる。
余談だが、番組中に実際は出資したことがないという。
文野氏はどうやってここまで日本を代表する企業に成長させたのだろうか?
大阪王将は昭和44年創業。
大阪王将は餃子の王将から暖簾分けを先代社長がしたことから始まる。
現在の文野 直樹が社長に就任したのは28歳の時である。
【経営者は会社を儲からせるしかない】
昭和44年に創業した大阪王将は2016年現在400店舗を超える。
どうしたら、企業としてのポジションをとれるのか?
これを中小の飲食店は常に意識していけ!と文野氏は語る。
飲食店はランチェスター戦略である、局地戦で勝負するのだ。
1店舗1店舗が個店であり名物料理がはっきりしていること。
大阪王将はそれぞれのお店が個店である。パッケージなどにせず、フライパンを振り続ける料理人がいる。
日常食なのだ。日常食の方程式は人口x胃袋数=胃袋直撃の業態である。
この日常食をブラッシュアップし、メーカーとして売上を作るのである。
外食の人気メニューを冷凍食品化。
実店舗からのダイレクトな情報を毎日知ることができる強みだという。
大阪王将のイメージが強いイートアンドだが、現在23ブランド展開、418店舗250億円を超える売り上げである。
大阪王将は総合フードサービス業なのだ。
自社工場の稼働率が上がれば利益は上がる。
装置ビジネスであり、ある一定の分岐点を超えると利益が出やすい事業。
イートアンドは自分たちで企画し、自分たちで栽培し分たちで販売する。
六次産業を自社で完結させる。
文野氏が最後に好きな言葉を贈ってくれた。
余儀なくされる前に、改革せよ!(ジャック・ウェルチ)
これは選択肢を増やすこと、選択肢が狭まる前にスピード判断をすることが大事だということである。
経営者である塾生は自分のお店や会社に当てはめて、日々精進して欲しい。
今回の講義も、大満足だった、外食虎塾。
外食を色んな視点から聞けることは外食に関わる経営者にとって深みと幅を持たせてくれるだろう。
次回の講義も楽しみである。
懇親会風景
次回講義
第1部 アジアのスペシャリスト
アジア外食進出
コンサルタント
島 正人氏
第2部 商品開発王
株式会社バイタリティ
代表取締役社長
岩田 浩氏
第3部 外食の太陽&旅する天才!
株式会社ゼットン
代表取締役社長
稲本 健一氏
外食虎塾事務局
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